2011年2月23日 [ コラム ]

進むデジタルデバイド

今回は『進むデジタルデバイド』。
今までの情報セキュリティとは少し違う切り口である。

本題に入る前に前回のコラムの補足を少し。
恥ずかしながら筆者も知らなかったのであるが、前回のコラム中の、『生まれながらにしてITツールを利用しているこの世代』が【デジタルネイティブ】と呼ばれていると、前回のコラムをアップした直後にテレビのニュースで話題になっていた。そして、その【デジタルネイティブ】の中学生が会社を作ったらしい。

さて今回は『デジタルデバイド』、日本語訳は情報格差。2002年頃にはよく『ユビキタス』とセットで使われていたような気がする。
ユビキタスとは・・・
『どこにでもあたりまえのように存在する』と訳される。ITの世界ではユビキタスコンピューティング、ユビキタスネットワークの2つの概念で使われている。詳細についてはここでは割愛するが、要するにいつでもどこでもネットワークにつながってコンピュータを意識せずにその恩恵を受けることができる、といった意味であると筆者は理解している。

これに対してデジタルデバイドは、明確な定義があるわけではないが、一般的に『ITを使うことのできる者とそうでない者の間に生じる待遇や貧富、機会の格差のこと』を言う。

デジタルデバイドが発生する原因は、大きくわけて2つのカテゴリに分類されると思う。

(1)インフラストラクチャ(社会基盤)に起因するもの
住んでいる国や地域によってインフラストラクチャの整備に差があり、受ける恩恵が違ってしまう。例えば、ブロードバンド環境が整備されていない山間部と、光ファイバーが張り巡らされている都市部では、インターネットの回線速度に大きな差があり、動画配信サービスのような大量のデータを扱うサービスにおいては、利用者が受ける恩恵は大きく異なる。

(2)ITスキルに起因するもの
利用者がITに精通しているか否かによって、提供されるサービスを利用できない場合が発生する。特に公共サービスの場合は問題がある。例えば選挙の投票をインターネットでする場合、ITに精通していないお年寄りのことも考慮する必要がある。

上記(1)にあるインフラに起因するものについては、少なくとも日本国内においてはかなり整備が進み多くの地域で解消されつつあるようであるが、(2)のITスキルに起因するものについてはここ数年でますます広がっているように思われる。そしてこの格差がセキュリティ上の脅威となりうるのだが、具体的な事例については次回のコラムで紹介したい。

次回は『デジタルデバイドが生むセキュリティ事故』。


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