2011年6月 6日 [ コラム ]

SNSと情報の確からしさ

今回は『SNSと情報の確からしさ』である。久しぶりの三文字略語である。

SNSとはSocial Networking Serviceの略であるが、ITの世界では三文字略語とその定義は静的でなく、新しいサービスの出現によってその解釈が変化することがたびたびある。
このコラムでは、SNSを「インターネット上で人と人のつながりをサポートするコミュニティ型のWebサイト」と定義する。

さて、このSNSの特長は次の通りである。

(1)誰でも情報発信が可能
インターネットに接続可能な機器、PC、携帯電話、スマートフォンなどがあれば誰でも情報を発信できる。ブラウザだけでなく、各種携帯端末用の専用アプリケーションも無料で利用することができるサービスが多いので、従来のブログなどよりもさらに手軽に情報が発信できる。
(2)非常に速い伝播スピード
従来のWebサービスと違い、コミュニティ内でのユーザ同士の情報転送が頻繁に行われるため、情報の拡散(伝播)が格段に速い。

SNSを利用して感じるのは、特に伝播スピードの速さだ。先日の大震災においてもさまざまなメディアが、その速さを取り上げている。SNSが台頭するまで、インターネットにおける情報発信は、「Webサイトに情報をアップし、そのサイトを訪れた人に情報を伝える」という方法が主であった。そのため、情報を伝えるためには、いかにしてそのWebサイトに訪れてもらい情報を見てもらうかが課題であった。有名人のブログなどであれば、いろいろなサイトにリンクが張られているので見つけてもらいやすいが、これが一般の人のブログとなると、多くの人に閲覧してもらうこと自体が至難の業であったと言える。
一方、facebookやtwitterなどのSNSでは、【いいね!】や【リツイート】ボタンを押すことにより自分の友人に情報を手軽に転送できる。これが繰り返されると、友人の友人、そのまた友人に転送されていき、指数関数的に情報が拡散するようになっている。発信した情報が有益なものであれば、比較的簡単に情報が拡散されていくというわけである。
問題は、前々回のセキュリティコラム【特別号】でも書いたとおり、SNSで拡散される内容の信憑性、すなわち「情報の確からしさ」である。投稿した人の個人的な意見と明確にわかるような場合は気軽に【いいね!】ボタンを押しても問題ないと思うが、これがいわゆる【噂ばなし】的な場合は、【いいね!】や【リツイート】ボタンを押す前に、情報の確からしさをよく確認するべきであると考える。書き込まれた情報が確かであるかどうかを判断するのはなかなか難しいとは思うが、少なくとも別のニュースソースで【裏】を取るぐらいの心構えは必要であろう。情報が簡単に拡散するがゆえ、いわゆる【ガセネタ】も同じように広がってしまう可能性が高いわけである。
今年の3月にIPA(独立行政法人情報推進機構)から『2011年版 10大脅威「進化する攻撃...その対策で十分ですか?」』が発行されたが、これによると、今年度における情報セキュリティ上の10大脅威の中で、第一位に位置づけられているのは「人が起こしてしまう情報漏えい」となっている。これを見ても、結局最後は情報を発信する人や転送する人のモラルとスキルに委ねざるを得ないということがわかる。
便利なツール、サービスが提供されるだけでなく、情報を取り扱うコミュニティの中で【ガセネタ】が拡散してしまうことを防ぐような自浄作用が常に働くように、すべての利用者に正しい教育をしていくことも必要であると感じている。

次回は『いよいよ考えないといけないパソコン以外のセキュリティ』


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