2009年7月 7日 [ コラム ]

日常のリスク管理が大切!(2)

7月1日更新予定だったがだいぶ遅れた。
予定通りに原稿を仕上げるにも気力がいるものである。

さて、前回のエスカレータ事故が発生した経緯を踏まえて、今回は本題の「リスク管理」について話したいと思う。

事故後、おばあさんとお孫さん(この時点では、関係者の会話からお孫さんである事は確信していた。)と別れ、電車での帰宅中、いろいろ考えた。
今回の件が、大怪我につながらなかったのは、筆者が、

①すれ違いたまたま振り返った。
②エスカレータの「非常停止ボタン」をすぐに押せた。

からである。

しかし、何故瞬時に「非常停止ボタン」の場所がわかったのか?

実は、筆者は情報セキュリティやBCP(出た、省略英文字!これは事業継続計画のこと。)などの仕事をするようになってから、今回のエスカレータに限らず、公共施設の停止ボタン、緊急呼出しボタン、消化器のたぐいが気になり、確認する癖が付いていたのである。

(これは、世間を震撼させた、2005年の福知山線の脱線事故がきっかけにもなっている。筆者は、以前、あの事故現場の近くに住んでいたことがあり、事故が身近で起きたという大きな衝撃と恐怖感が残っているのである。)

まさに日頃の確認が功を奏したのだ。
いつどんな事故に遭遇するかわからない。
事故を未然に防ぐ、あるいは、被害を最小限に食い止めるためにリスク管理がある。
今回はこのリスク管理を実践する事ができたという訳である。

しかし、後々この一連の事故について、1つ問題すべき点があったことに気づく。

どうやらエスカレータの非常ボタンが押されたとき、即座に駅員さんに伝わっていなかったようなのだ。非常ボタンは押せば、誰かがすぐに対応してくれるのが当たり前だと思っていたが、少なくとも今回はそうではなかった。

それは、エスカレータの非常停止ボタンが押されたときの駅員さんの対応の遅さ。

これは、リスク管理というものが組織的に機能しているかが問われる事象ではないかと感じた瞬間でもある。そして、常々思うことではあるが、結局リスク管理の成否は「個々がどこまで意識できているか?」がポイントになるのではないだろうか?

皆さんも、是非、日頃からリスクを意識していただきたい。
まずは毎日使っているエスカレータの非常ボタン、通勤電車に必ずあるはずの消化器の確認を。

さて、次回は7月下旬の更新予定。

タイトルは『スパムメールには困った』である。


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